富士山に子連れで登山に挑戦する際に、一番大切なのは子どもファーストで登山を楽しい遊びにすることです。とはいえ、富士登山は大人だけでも簡単な山ではありません。
この記事では、子連れで富士登山に挑戦する際の持ちものやグッズだけでなく、コース選びや事前準備についてご紹介します。
この記事をご参考に入念な計画をし、子どもと一緒に達成感・成功体験・楽しい登山体験を共有しに富士山へおでかけくださいね。
Contents
世界遺産「富士山」
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静岡県と山梨県にまたがる富士山。標高3776m、数多くの芸術作品を生み出す富士山は、2013年に世界文化遺産に登録されました。
山頂は南アルプスや伊豆半島・河口湖に奥多摩の山々を見渡せ、ほかでは味わえない日本一の眺望が広がります。明け方の雲海から昇るご来光は、一生忘れない感動を与えてくれるといわれるほど。
人と自然が信仰や芸術を通して共生する姿は、富士山の持つ大きな魅力です。遠くから眺めても裾野まで末広がりにのびる姿は、「日本の象徴」といわれる理由を存分に見せつける、息をのむ美しさですよね。
日々多様な美しさの魅力的な山、富士山。日本三名山・日本百名山にも選ばれ、登山者の絶えない人気スポットです。
2023年富士山山開き(2023年4月現在)
【山梨県側】7月1日(土曜日)
【静岡県側】7月10日(月曜日)
※閉山日はどのルートも毎年9月10日
富士山アクセス方法はこちら
※マイカー規制期間中は、指定駐車場より登山バスを利用することになります。詳しくは山梨県道路公社HPをご確認ください。
富士山パーキングHPはこちら
※カーナビご利用の場合は、目的地:富士山有料休憩所(五合目管理センター)・(電話:0555‐72‐1477)で五合目駐車場までの経路設定ができます。必ず、カーナビ画面での経路確認をお願いいたします。
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富士登山は何歳から?
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6歳以上、小学生からが妥当とする声が多数です。山登りの経験があり、活発な子どもなら年中さんの5歳くらいからでも可能でしょう。年齢だけでは明確に何歳からは大丈夫とは言えず、子どもの体力や体質が大きく影響します。低年齢になればなるほど、子どもだけではなく、大人の負担にもなることを忘れずに検討しましょうね。
気分のムラや一定のペースで歩けない、体調の変化を自分で伝えられない小さなうちは、富士登山を目標にコンパクトな山でトレーニング期間にするのがおすすめです。
子連れ富士登山のルート
富士山の登山ルートは「吉田ルート」・「富士宮ルート」・「御殿場ルート」・「須走ルート」の4つです。
各ルートの特徴は以下になります。
吉田ルート
登山者と山小屋が一番多いです。ハイシーズンには混雑の可能性があります。
富士宮ルート
登山者が2番目に多いです。山頂まで最短距離で、登山と下山の道が同じになっています。天気が良いと駿河湾が一望できる点も魅力です。
須走ルート
6・7合目までは高山植物が楽しめます。8合目から吉田ルートで合流するので渋滞するのが特徴で、のびのびと登山したい方におすすめです。
御殿場ルート
山小屋の数は少ないです。上級者向けで、他のルートの2倍長いルートになっております。日帰りは難しく1泊登山かつ体力に自信がある方向きのルートといえるでしょう。
登山経験や各ルートの特徴を見きわめ、子どもの体力に合わせてルートを選ぶのがおすすめです。小学校低学年くらいの子どもには、吉田ルートや富士宮ルートが比較的多く選択されていますよ。富士宮ルートは人気ですが、山頂までの距離が短い=高山病のリスクが高まるなど、しっかりとした下調べをしておでかけくださいね。
子連れ富士登山の服装・持ち物
セパレートタイプのレインウエアが必要です。ポンチョではなく、防水透湿性素材のレインウエアがおすすめです。天気予報に関係なく、必ず用意してくださいね。ビニールタイプは、蒸れるのでおすすめしません。
防寒着や速乾性の服も用意が必要です。フリースなどの防寒着がいいですよ。登山用のものではなくてもかまわないので、忘れずに!手袋・帽子・リュックも必須です。富士登山は1日で、真夏と真冬を体感するということをお忘れなく。
靴は、子どもも大人もトレッキングシューズか登山靴がおすすめです。子どもは、運動神経などが優れている子は運動靴でもいいかもしれませんが、底が固く、ハイカットのものがいいですよ。靴擦れをしないよう、事前に慣れておくことが大切です。「登山の6割は靴で決まる」と言われるほど、足元は重要です。
以下に持ち物をまとめました。最低限のものとなりますので、おでかけ前にご自身でもしっかり確認し、必要なものをプラスしてくださいね。
持ち物リスト
登山靴
雨具
ナップザックやリュック:30L前後がおすすめです。けが防止のため、こどもの中身を軽くして準備しましょう。
ナップザック、リュックカバー
スパッツ:足回りのカバー
ストック:疲れにくくなります。子供はいらないという声もあります。
ヘッドライト
防寒着
下着
靴下:厚手
手袋:防水または防滴のものがいいです。
帽子
手ぬぐいやタオル
水筒:山頂に近いほど飲み物の値段が高くなっています。ペットボトルでも大丈夫です。
サングラス
ビニール袋:ごみの持ち帰りはルールです。
保険証
小銭:富士山では1回のトイレ料金が200円となります。100円玉を多く持参するのが必須になります。
薬:絆創膏、消毒薬、鎮痛剤、腹痛薬など
ちり紙
行動食:登山中のお菓子でグミやラムネがおすすめです。
そのほか、マスク・耳栓・カメラ・日焼け止めなどもあると便利ですよ。登山用品専門のレンタルショップなども上手に活用して、万全でおでかけくださいね。
富士登山に挑戦する前のトレーニング
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はじめての登山が富士山の場合は、たとえ登れたとしても楽しくは登れないでしょう。富士山は簡単な山ではありません。富士登山を計画する際は、日帰り可能な山でいいので、最低3回ほどトレーニングとして登山してみるのがおすすめですよ。大人のトレーニングもお忘れなく!日頃、運動習慣のない方は入念にトレーニングしておでかけくださいね。
トレーニングの際は、本番の富士登山と同じ服装と装備でおこなうのがポイントです。
子連れ富士登山と山小屋
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富士山は簡単に登山を楽しめる山ではないので、子連れ登山の場合は、子どもの負担を考慮し日帰りは厳しいといわれます。富士登山を計画する場合は、山小屋の予約を忘れずに!
子連れ富士登山での山小屋は、個室がおすすめです。特に週末に計画を立てる場合は、早いうちに予約しましょうね。とくに、吉田ルートは、予約が埋まるのが早いです。
富士山に登ろう!と考えた時点で、まず山小屋の検討がおすすめです。
子連れ富士登山で夜間登山を避けるべき理由
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富士登山は、ご来光を見るための夜間登山が有名です。しかし、子連れで登山する場合の夜間登山はおすすめしません。
睡眠も十分ではないなか、暗い山道を歩くのは子どもには大きな負担です。大人も、子どもの顔色や体調の変化に気付きにくいですよね。落石などのリスクもあります。
楽しい登山にするためにも、可能な限り夜間登山は避けましょうね。
高山病について
高山病とは、高地で気圧が下がり空気がうすくなる環境に身体が慣れず具合が悪くなる症状です。食欲がなくなった・頭痛や嘔吐、脱力感やめまい・ふらつきなどの症状や、ひどい場合には死にも至る恐ろしい病気です。登山の経験が豊富な人でも十分な注意が必要とされています。
高山病の予防には、ゆとりのある日程を組むこと・体調に異変がある場合は無理をせず、決して標高を上げないことです。自分自身はもちろん、子どもの様子をしっかり観察しながら楽しい登山にしましょうね。
高山病については「厚生労働省 関西空港検疫所:高山病」を参照ください。
子連れ富士登山とガイド
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子連れ富士登山は、十分な「登山力」が子どもにあるかが大切です。しかし大人は登山力はもちろん、子どもから目を離してはいけない・いついかなる場合でも面倒を見られる「登山リーダー」の責任が伴います。リーダーは、経験・体力・判断力が必要ですよね。
休日のちょっと遠出のおでかけではありません。視界の悪い中、時には雨風で傘もささずの登山になる可能性もあります。
さまざまな「もしも」を想定したとき、大人が少しでも大丈夫かな…と不安になった場合は、ガイドつきの富士登山をおすすめします。ガイドがリーダーとなり、子どもと同じ気持ちでチームメートとして山頂を目指せます。富士登山は、きれいごと抜きでいかに子どもと大人が本気になれるかで、楽しさにであえるか決まります。ただ辛かっただけの思い出にしないよう、おでかけ前にしっかり計画してくださいね。
まとめ
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富士山で子連れ登山に挑戦する際の情報をご紹介しました。
富士山に登頂できた経験は、子どもの大きな自信になります。山登りは、家族がチームとして共に認め合い、助け合い、苦楽を分かち合いながら成功させる楽しい体験です。富士登山から広がる世界は、家族の絆を確かなものにしてくれますよ。
あせらず、手を取り合いながら「笑顔」の富士登山へおでかけくださいね。